4, Always look at things from a positive point of view & turn positivity into reality.
すべてを肯定的に見なさい。そして、本当にいいものに変えていきなさい。
カーリーグレイシーのアカデミーで付きっきりでテクニックを学びスパーリングをする。
テクニックは1回しか教わらない。
そしてスパーリングでカーリーから修正してもらう。
それをメモにとって日本で思い出して何度も繰り返す。
こうやってグレイシー柔術を覚えた。
日本に帰って暫く経つとカーリーから教わったことが薄まってしまう。
フィーリングも忘れてしまうことがある。
そんな時にはアカデミーで使えたテクニックが使えなくなってしまう。
日本である日ふと浮かんできた。
カーリーの笑顔と一緒に言葉が浮かんできた。
使えないのはテクニックが悪い訳じゃない。
使い方を間違えてるからだ。
真剣に何度も思い出す。
サンフランシスコのアカデミーの映像を思い出す。
何度も繰り返すと小さな間違いに気が付く。
ホンの少しの小さな違い。
それを正すだけでテクニックはまた使えるように変わる。
何度も繰り返すと思い出す速度が早くなる。
新しいテクニックを覚えるのも簡単になる。
僕のグレイシー柔術の学び方は独特。
全てのテクニックを1回しか習っていない。
サンディエゴで20年ぶりに会ったカーリーは僕のテクニックをほめてくれた。
グレイシー柔術のテクニックは完ぺきなほど巧妙に本来出来ている。
それを信じて常に間違いを正す。
これが正しいやり方なのかもしれない。
テクニックがかからない時にテクニックを変えると
かえって強くなるのに時間がかかる。
テクニックを正しく使えていないから正しく相手にかからない。
そう考えてテクニックの間違いを正してゆく。
僕にはこの方が好きなやり方。
日本の柳生心眼流でも一つの技は一度しか教えないと師から初めに言われた。
メモを取ることも禁じられた。
初めは大苦戦して帰る途中で思い出して
その日やったことを全部思い出してメモするようにしていた。
ところがある日メモは要らなくなった。
記憶の回路が変わってゆくのだろう。
10年近く学んだある日、心眼流の師から褒められた。
メモを取らないで技を覚えるようになったことを。
遥かな時代から柔術はそうやって受け継がれてきた。
武術とは口伝により成立する。
口伝とは師から頂く言葉。
武術はこうやって受け継がれてきた。
この学びを続けると思考と記憶の仕組みが変化してくる。
相手の動きが読めるようになったり、
やったことのない動きが突然出て来たりと
不思議な反応が出て来るようになる。
この仕組みが日本の武術の習得の隠れた秘密だと
師から聞かせて頂いたのは学びが10年を迎える頃だった。
グレイシー柔術で似たような体験を既にしていたから、
比較的すんなり出来たのだろう。
記憶を引き出すにはその記憶を信用する必要がある。
師の見せてくれた動きを疑っては正しい記憶は出て来ない。
それでは当然良い物は出ては来ない。
過去の記憶と未来に対する思考は陰陽の関係にある。
これは東洋の武術的な思考になる。
グレイシー柔術も東洋の武術の流れを汲んでいる。