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成人式 プロになる前の時代
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成人式は昔1月15日と決まった日に行われていた。1980年代に僕は成人式を迎えました。当時の僕はまだプロでも何でもなく、憧れを胸に秘めて仙台から上京した20歳。アルバイトをして生活費を稼ぎながら夢に向かって毎日体を鍛えていた時代。
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成人式の日はアルバイト先の喫茶店は異常に混む。バイトしていた喫茶店は池袋にあった。1980年代の池袋にはまだ埼京線は開通していなく、赤羽線というのが通っていた。池袋から先に向かうには池袋で乗り換えが必要になる。
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だからなのか時代だったからなのか?池袋はとても栄えていたのが1980年代。成人式にはスーツや着物を着た、成人式帰りの新成人の男女がわさわさといた。物凄くお客さんがいるので成人式の日は特別に時給が高くなる。正月も同じ。
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正月と成人式は練習するジムも休み。だから20歳になったばかりの僕は高い時給を手にする為にその年の正月と成人式は朝から晩まで、店を開けてから閉めるまでずっとバイトした。そうすると結構なお金がもらえた。バイトだから休んだ分だけその月のお給料が少なくなる。成人式が過ぎてから仙台に帰って休んでも正月と成人式の働いた分で同じお給料になって新幹線のお金と少しのお土産を買うくらいになった。
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バイトした喫茶店にはうじゃうじゃと人がやって来る。スーツや着物を着てにこにこした新成人がうじゃうじゃと店中に笑顔でいる。同じ新成人だった僕はわちゃわちゃとパフェとかサンドイッチとかをずっと作ってた。なぜか嫌じゃなかったな。店は新成人でとても華やかな雰囲気がして。僕が作ったパフェなんかをみんなにこにこしながら食べて楽しそうに会話してる。僕はその日何となく思った。絶対にプロになってこの日のことを良い出来事だったって言えるようになろうって。
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人と違う道は、人と違うことをやるからこそ歩むことが出来る。だから正月も自分が成人式の日もあえてバイトをする。ただのバイトじゃネタ的にはまだ足りない気がした。だから朝から晩まで働いた。もちろん時給が良いことも魅力だったけど。人生の良いネタになるような気がしたから。あの日僕は20歳だった。いつもと違うことをやると何かの意識が変わるのかもしれない。あの日バイトを朝から晩までやったからプロに成れたかといえばそうでもないだろう。
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