グレイシー柔術とブラジリアン柔術は同じだった。

クラークは言った。「僕のブラジリアン柔術はグレイシー柔術なんだよ。」って。その意味が今なら良く分かる。クラークの体使いは素晴らしい、決して力むことはない、それなのに強烈なプレッシャーがある。クラークとスパーリングをして懐かしい感じがした、カーリーのアカデミーでやっていたのと同じ動きになっていく。日本ではどうしても日本風の動きなってしまっていたのだろう。クラークのブラジリアン柔術は確かにグレイシー柔術そのものだった。

グレイシー柔術は自分が動くことはない、正しくは相手を動かす為に自分が動く。相手の攻撃を潰すようなディフェンスがグレイシー柔術の特色、そこに強力なプレッシャーのある動きを重ねる。グレイシー柔術のディフェンスは独特だ、相手の動きを完全に制することはしない。どこかに抜け道を作っておくのがグレイシー柔術のディフェンスの特色。プレッシャーに押されて相手は知らず知らずにそこに逃げ込む。逃げ込んだ先には十分に準備したグレイシー柔術のフィニッシュが待ち受けている。これがカーリーから教わったグレイシー柔術。何でもあり打撃がある時ににどうやってそれを完成させるのか？僕が教わったグレイシー柔術は何でもありの為の柔術だった。クラークの柔術は組技専門。何でもありの中の組技は一部になる。だから物足りなかったし、グレイシー柔術をそこにどうやって繋ぐのかが分からなかったのだ。だからあまり興味が出なかったのだろう。