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武術と健康に関する話って？、、、一般の方々にはピーンと来ないようなタイトルかもしれません。そうか太極拳って健康に良いな。そんな事を思い浮かべる方もいるかもしれませんね。これから始まる連載は、明治以前の日本の知恵の話です。そして明治以前の日本と現在の日本の違いを知りその誤差を埋める体の知恵の話でもあります。こう書くと更に混乱する方もいるかもしれませんね。（笑）
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明治以前の日本も実は現代に暮らす我々には分っているようで、案外ピーンと来ないのではないでしょうか？何しろ日本のどこでも、着物を着て丁髷（ちょんまげ）を結って腰には日本刀を差して歩いているのです。２１世紀のどんな遠い異国よりも遠い国が明治以前の日本なのです。その時代に人々は今よりも遥かに健康に暮らし、おそらく現代の何倍も活き活きと日常を過ごしていました。
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江戸時代の末期から明治の初期に日本を訪れた諸外国の人々は一様に日本人の生活ぶりに驚嘆します、あまりにも西洋的な物と離れた暮らしぶり。そしてそれは決して卑下される事はなく、概ね好意的な感想を諸外国の人々に抱かせました。田舎の景色を見た外国の記者がここに天国を見た。そのような文章も残されているのです。２１世紀の日本に天国を見る海外の記者はおそらくいないのではないでしょうか？
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明治以前の日本を支えた物は武士であり、武士の根幹こそが武術になります。日本における武術とは剣術と柔術が双璧であり、現代のように分けて学ぶ事はなく、学校の必修科目のように一人でいくつかの武術を学ぶのが普通でした。かの宮本武蔵公も柔術に関して記録を残されています。この時代柔術はじゅうじゅつとは読まれず、やわらもしくはやわらぎと読まれました。
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柔術をじゅうじゅつと読むようになったのも明治維新以降になります。その頃の柔術はやわらと呼ばれ、単なる徒手の格闘技ではなく、剣術や武器術も含み。健康法や精神の鍛練も兼ねて稽古法が巧みに含まれ、やわらに長じれば医者としての役割も果たしていました。
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総てが今からは想像も出来ない時代。武術は藩の宝として大切にされ藩外への流出を防ぐ為にお留め武術として存在していました。やわらとは藩の将来を担う青少年の心身の健全な育成に役立つ優れた教材であるという記録が残されています。
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日本に西洋的な医学が広く導入されたのも明治以降、西洋的な医学が無ければ、、、現代の知識では不衛生で、病原菌がうようよいて疫病などが流行るようなイメージがあるかもしれません。しかし、明治以前の日本とは訪れた諸外国の誰もが驚嘆する綺麗な町並みを持ち、現代の常識では考えられない程の驚異的な体力を誰もが持ち、皆が健康に慎ましく仲良く暮らす国であったのです。人々は物を大切にし、それぞれが質素ではあるが小奇麗な格好をし、道にはゴミ等落ちてはいない。集落には必ず柔術家がいて、体の異常を事前に見つけたという。病が発する前に起こる小さな火種を消す、これを未病を治すと言い東洋では位の高い医者の仕事であったのです。日本では人々が暮らす場所には必ず柔術家がいて未病を治す事に関して世界に誇る健康大国だった訳です。
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暮らす人々も現代から想像を絶する体力を持ち、女子でも米俵を軽々と何俵も担ぎ、一日に徒歩で４０キロを楽々と歩いた。そこには当然理由が存在する。その理由とは現代の日本からは想像も出来ない日本の暮らし。その暮らしの中で行われる身体操作は現代の想像を遥かに超える物だったのです。現代の西洋化した日本とは全く違った遠い異国のような日常の総てが体を健康に育み維持をしていたのです。この時代の身体操作の秘密が武術の原理となり現代の我々からは想像も付かないような身体原理が明治以前の日本に存在したのです。この知恵を世界中に届けたい、そう思っている時にご縁でこの連載のお話を頂きました。
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読んで頂いた皆様に元気になって頂き、皆様の周囲の方にも元気を届けるような連載になればと思っています。人は本来生まれた場所で健康に一生を過ごせる体を持って生まれます。生まれた場所を快適に造り替えすぎたのが人類であり、その為暮らしは快適になり、体はその分不快になっている。腰痛や肩凝りやストレスなどは野性動物には存在しないのです。便利はどこかで不便を生み出す訳です。便利と不便の配分を上手く行う、これが武術の知られざる知恵と原理であり、ひょっとしたら経営にも通じるかもしれません。
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