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武術には古くから受け継がれてきた多くの知恵があります。その多くは口伝と呼ばれ文書ではなく口頭により選ばれた弟子にのみ伝えられてきました。文書に残さないことには理由があります。流儀の秘密を隠す為です。時代劇などで目にする免許皆伝の巻物、本物を見せて頂いたことがあります。一般の感覚では免許皆伝の巻物には流儀の奥義が書かれているイメージがあるかと思います。ところが実際に目にした巻物には師匠より認められた流儀の技の箇条書きが記されているだけでした。本の目次のように継承を認められた技の名前が箇条書きになっているだけで、やり方やコツ等は全く書かれていません、ましてや奥義など全く書かれていません。武術は秘伝をひたすら隠します。その為総てを口伝、言葉で伝えてきました。修行を重ねる中で伝えるべき相手を選ぶのも流儀の師匠の役割になります。数多い弟子の中からたった一人を選び総てを伝える。その相手に伝える口伝を世継ぎの伝と呼びます。 口伝には立ち方3年という物があります。毎日必ず行なう立つことを極めるには3年かかる、それ程立つという動作には意味があり、昔の人でさえ立ち方に問題があったのでしょう。野性動物は教わらないでも自然に完全な立ち方を覚え成長と共に歩くも走るも完全な動きを勝手に身につけます。3年かけて立ち方を身に付けたら次に歩き方に3年かかるのが武術の稽古でした。ここに現代の健康と運動の問題を解決する秘密があります。人は靴を履いて舗装された道路を歩きます。一見快適なこの暮らしが体に問題を引き起こし、腰痛等の原因になるのだとしたら? この連載で紹介してゆく運動は不自然な運動になります。日常の身体を動かす環境が不自然に快適なのでそれによって起きた問題は、不自然にやりにくい運動で改善してゆきます。体をきちんと動かせば体に問題は生じないのです。人は決して特別な生き物ではなく、地球に暮らす他の動物と同じです。ライオンが人の暮らしをすればおそらく様々な健康の問題が出てくる筈です。立つと歩くは簡単そうで難しい、何故ならば立つ場所歩く場所が不自然に楽な場所だからです。
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"楽な場所で歩くと人は自然に楽な歩き方、股関節から歩きます"
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"ところが、歩きにくい場所では自然に全身を使い骨盤から歩くようになります。
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現代は、立つ感覚の狂いが大きいので、まずは寝た状態での運動を紹介します。
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A 寝た状態で足を歩くように交差させます。
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B 寝た状態のお尻の下に手の甲を下にしてそえて同じ動き歩くように足を交差させます。
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AとB写真の違いが分るでしょうか?Aは足が股関節から動き、Bは骨盤から足が動いて います。腰痛になって違和感が出る場所で多いのは骨盤の周辺です。楽な場所では動物は全身を使う運動はしません。楽なのに苦労するのは余計なことだからです。靴を履いて舗装道路を歩くのは不自然に楽ですので、不自然に楽な動きになるのが当たり前なのです。不自然に楽な運動は体の奥の動きを眠らせ錆びつかせます。本来人は骨盤から足を動かします。ところが現代の人々は楽な動きを日常で行なう為に股関節から足を動かします。本来の歩く時に動く骨盤を日常的に動かさなければ骨盤周辺の筋肉は衰え錆びつきます。骨盤周辺の筋肉がそうなれば腰痛が起こります。人は環境に合わせて動作を行いますので現代は不自然な運動で解消することが効率良いのです。骨盤に手をあてゆっくりと歩くように足を交互に動かします。何もあてなければ股関節から動く足は、骨盤にテコの刺激を加えることで勝手に動きだします。いつも動かない骨盤周辺が動くと筋肉の状態が変わってゆきます。今まで眠っていた筋肉ですので焦らずにゆっくりと動かします。動かして気持ちが良い辺りがやがて出て来ます。そこでじっと味わうように動きを止めます。大体10秒位。左右の足を交互に3回ずつ位で充分です、早ければその日に、遅くとも1週間もすると腰が大分楽になってきます。
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伝説のプロレス団体UWF。UWFが現在の格闘技の土台を作ったと言っても過言ではありません。そのUWFに近いところで見てきた平先生ならではの外伝。読み応えあります。
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